肉体は使い捨て しかし垢は再利用されている

私達の体は、大人で約60兆個の細胞から成り立っていると言われています。
この60兆個の細胞のうち、歯は一度抜け替わって新しくなります。
その永久歯は一生使い続けなければなりません。

そしてもっと重要なのが脳細胞です。
脳は生まれたとき既に大半は出来上がっており、赤ちゃんのうちにすべて形成され、一生使うことになるのです。
ですから、脳細胞は減っていっても決して増えることはありません。
一般の細胞と違って新たに形成する必要がないのですから、新細胞が生まれる為のミネラルや栄養は要らないということになります。
脳の中にはミトコンドリアが多いので、一番欲しがるものは砂糖と酸素であり、それ以外は殆ど要らないのです。
ですから、お酒などを飲みすぎると脳に酸素が欠乏するので、胃に酸素が奪われたのではないかと思い「吐け」と命令してくるのです。

私達の体の中で脳だけは新しく生まれ変わることはないのです。
では、脳以外の細胞はどうでしょうか。
小腸の表面などの細胞は短いものでは1秒以内に新しい細胞と入れ替わるものもありますし、その他の細胞は約3ヶ月、骨でさえも3〜5年ぐらいということです。
どんなに長くても3年から5年ぐらいで、脳以外のすべての細胞が入れ替わってしまうことになります。
あの使い捨てカイロのように、私達の体も殆どが使い捨てになっていて、安全に生きられるようにプログラムされているのです。

また、垢(あか)は皮膚の表面にだけ出来るのではなく、内臓や筋肉の内側の細胞にも出来るはずです。
その時使い捨てされた細胞はどうなってしまうのか、ご存知でしょうか。

私達の体は非常によくできています。 実は垢は宝物なのです。
要するに、リサイクルシステムが既に出来上がっているのです。
垢になる前の細胞の中には、新細胞に必要なすべてのミネラルが含まれている筈です。
それを再利用しない筈がないのです。
だから内側の垢は使い捨ての脂肪や、不要になった物質だけが汗などにより外に出したり、皮脂腺に運ばれたりして排泄されますが、それ以外は再利用されているのです。

よく重金属が体内に入ってしまったら何十年も体の外に出ない、などと言われるのもそのせいです。
だから毎日ほうれん草や小松菜を食べなくても貧血になったり、カルシウム不足になったりしないのです。
微量元素やミネラルは常に再利用される方向へ導かれているのです。
だから、ご飯や味噌汁、漬物や魚、肉など、1日のエネルギーになるものだけを食べていれば、とりあえずはいいのです。

体に使われるエネルギーに実は4つの種類があることをご存知でしょうか?
それは「体を温めるエネルギー」と「体を動かすためのエネルギー」と「体を維持するエネルギー」と「意識や心をコントロールするエネルギー」があります。
この4つのエネルギーは種類がまったく違うことを知ってください。

「う〜、頭にきた」とか「イライラする」のにもエネルギーは常に使われているのです。
余分なミネラルや栄養素の摂り過ぎは、かえって体にとっては迷惑だということを知ってください。
何故なら体を維持するには余分な物を分解するエネルギーが必要になります。

皮膚の場合、使い捨てになった垢の中に、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチン、プロテインなど、次の新しい細胞に必要なものがすべて含まれています。
これを捨ててしまうのは勿体無いはずです。 それをうまく再利用しましょう。

骨やその他に使われるカルシウムも常に再利用されているため、成長ざかりの子供を除いては必要以上に摂らないようにしてください。
細胞の代謝交換、置換交換とは古い細胞から新しい細胞へ、必要なものは受け継がれ、不必要なものは排泄されることを意味しています。

私達の体は常にこのシステムで維持されているのです。
唯一使い捨てなのは脂肪です。
だから脂肪細胞があるのです。

 

 

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